ジャムの味
 


 昔から何の味にもジャムを付けていた私は大人になるまで「そのもの」の味を知らなかったかもしれない。 いや、子供の美味いと感じるセンサーと大人とは違うのかもしれない。
 プレーンヨーグルトにも食パンにもクラッカーにも、挙句のはてにはチーズケーキにもマーマレードやブルーベリー、母の作ったイチゴジャムをかけていた。
 子供だったからピーマンもダメ、ナメコもダメ、鶏肉の皮なんて見るのも嫌だった。 それが、成長と言うのは味覚が育つのか、鈍るのか、今やピーマンのほろ苦さ、ナメコそばの触感、焼き鳥の皮の串なんて最高である。
 そしてチーズケーキ。昔は可愛い飾りもなく、薄っぺらくて、変な匂いまでしてきそう・・・と苦手だったチーズケーキが、 今となっては「ケーキと言ったらチーズケーキ」と言うほどの大好物になったのです。 ケーキ屋やデパ地下、テレビで見ればお取り寄せまでするほどの熱のいれよう。
 今はジャムで味をごまかして食べるなんてもったいない、チーズケーキの素材の味を匂いを楽しんでいます。


 


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